2023年1月15日日曜日

【Gizmode記事】D&Dビヨンドのサブスク停止活動はハズブロの手を止めた

Cancelled D&D Beyond Subscriptions Forced Hasbro's Hand
D&Dビヨンドのサブスク停止活動はハズブロの手を止めた

By Linda Codega

https://gizmodo.com/dungeons-dragons-wizards-hasbro-ogl-open-game-license-1849981136



(以下、Gizmodeの記事抄訳:大河ドラマ見る片手間に訳してるから、ちゃんと中身を見たい人は上のリンクから本文を確認してくれ)

WotCは、金曜日になってようやくOpen Game Licenseへの沈黙を破り、D&Dコミュニティの緊張を和らげ、先週GizmodoがOGLのドラフトについてのリーク記事をupしたあと提起された質問に答えようとした。

WotC公式デジタルツール、D&D Beyondに掲載されたメッセージの中で、リークされたOGL1.1に提起された多くの懸念に対処し、迅速に対応した。注目すべき変更には、ロイヤリティ構造の廃止、著作権と知的財産の所有権の明確化の約束などがある。

しかし、それは少なすぎ、そして遅きに失していたかも知れない。

Hasbro傘下のWotCは、Hasbroからの再保証(? 原文reassurances)にもかかわらず、1週間の沈黙の間も苦しんでいたかもしれない。WotC内部の複数の情報筋によると、”城”の中は悲惨な状況で、Hasbroは消費者のイメージよりも、WotCが所持する知的財産の方に関心を寄せているようだという。

D&DファンたちはD&D Beyondのサブスク停止キャンペーンによってWotCとハスブロの上層部にメッセージを送った。複数の情報筋は、これらの直接的な財務的影響が、彼らが対応を余儀なくされた主な原因だったという。新しいOGLの展開をさらに遅らせ、その後展開に関するメッセージを調整するという決定は、最終収益に対する「証明可能な影響」により起きた。

情報筋によると、会議や従業員とのコミュニケーションの中で、WotCの経営者は、流出したドラフトに対してファンが「過剰反応」しており、数カ月後には誰もこの騒動を覚えていないだろうというメッセージを発していたという。

■Licensees are pushing back

しかし、このまま炎上が鎮火してくれるという期待にも関わらず、Kobold PressやMCDMなど、これまでOGLをほぼ独占的に使用してきた有名なパブリッシャーは、すでにOGLのすべてのバージョンから移行するか、独自のゲームライセンスを作成するかのどちらかを行うという声明を出している。モンテ・クック・ゲームズのCOOであるCharles Ryanは「新しいOGLを実装することによる悪影響は、WotCのバグではなく、意図された機能である可能性がある」と述べている。「賢明なるサードパーティ(出版社)は、5eの寿命を見直すことになるかも知れない」と彼は述べ、5e製品の計画に対する投資を再考する必要があるという。モンテ・クック・ゲームズは昨年、高く評価されているCypher Systemのために、独自のオープンで永続的なライセンスをリリースした。

インディー出版社は、理解しやすく寛容なシステムライセンス、ゲームフレームワーク、およびSRDを提供することで、長年にわたってクリエイターがサードパーティコンテンツを作成することを奨励してきた。例えば、高く評価されているRPGs「Heart&Spire」はRRD Community Licenseを設立し、サードパーティがアクセス可能になるResistance Toolboxを提供している。

ある出版社は、リークされた文書にあるようにWotCがOGLをアップデートすることを期待していたが、2025年、DnDOneがリリースされるまでは難しいと語った。現在、多くの出版社は、リークされた新しいD&D OGLをめぐる報道の惨事を受けて、移行スケジュールを早めている。

WotCの最大のライバルであるPaizo社は、PathfinderとStarfinderを所有しており、現在、非営利財団が管理するOpen RPG Creative License(ORC)を作成するキャンペーンを主導している。Kobold Press、Chaosium、Legendary Gamesなどの他のパブリッシャーは、すでにこの取り組みに参入を決定している。

匿名のある出版社から、同社は「すでに他の出版社と協力して」オリジナルのOGL 1.0(a)を法的に守ると決めたと語った。

■The OGL 1.1 text and the 2.0 FAQ

先週、Gizmodoは「OGL 1.1」のドラフトをリークし、その数日後に「OGL2.0」に言及したFAQ文書を入手した(これは重要な区別である。なぜなら、1.1は元の1.0(a)の更新と考えることができるが、新しい合意を2.0と呼ぶということは、完全に新しい別の合意を行うことを想定している可能性があるからだ)。

OGL 2.0 FAQの最も重要な部分の1つに、リークされたOGL 1.1の最も重要なポイントの1つである、元のOGL 1.0aが取り消しされるかどうかを明確にする記述が含まれていた。FAQには「OGL 1.0aでは作成者は”オーソライズされた”バージョンのOGLのみを使用できる。これにより、WotCはライセンスを更新する権利を行使する際、以前のバージョンを引き続き使用できるかを決定できる。OGL2.0の展開の一環として、OGL1.0aの将来の使用を取り消し、Webから削除する。これはOGL1.0aがコンテンツの開発に使用できなくなることを意味する。」と記載されていた。

この解釈の正当性を多くの人が議論しており、中には元OGL 1.0の執筆を支援した元WotC幹部のRyan Danceyも含まれている。しかし、FAQではこの言葉が今なお使用されている上、1月13日のアップデートではWotCがOGL1.0aの取り消しを行わないとは明示されていない。「OGL1.0aが取り消されるとは考えていない。ライセンスには取り消しのための条項がない」Dancey氏はGizmodoへの電子メールで述べている。

また、Dan edy氏は次のように述べている。「v1.0aが公開され、承認されたとき、HasbroとWotCは、永続的なライセンス体制に入ると認識していました。経営幹部レベルの関係者全員-ピーター・アドキソン(WizardsのCEO)、ブライアン・ルイス(Wizardsの社内顧問)、および私(Tabletop RPGsの副社長)は、すべてこのライセンスの目的に同意しました。」

OGL2.0 FAQはWotC内の複数チームに配布されたが、情報筋によると、このFAQは相次ぐサブスクの取り消しとオンラインでの反発の高まりの影響で、予定通り1/12にリリースされなかった。

OGL2.0のFAQにも「リークされた文書は草稿であり、人々が不満に思っていた内容の一部は、リークの時点ですでに最新版に変更されていた」と記載されている。しかし、著作権への付加条項やロイヤリティなどについては、2.0のFAQにもまだ含まれていた。

Unseelie Studiosの共同経営者であるJessica Marcrum氏は言う。「OGL1.1の中で、いったんOGL 1.1の下で公開すると、他の人もあなたの作品を利用できると書かれている部分はDMs Guildの文言と非常によく似ている。しかし、それは『オープン』な文言ではない。そして、彼らは古いOGLの装いを利用して、1.1はオープンなライセンス供与ではないのに、オープンなライセンス供与であるふりをしている」

さらに、複数の情報筋によると、12月中旬にサードパーティーの出版社がOGL 1.1にサインするよう「甘い取引sweetheart deal」をインセンティブとしてWotCからを与えられていたことが明かされている。

■The ‘Term Sheets’ 

会場にいた情報筋によると、2022年後半、Wizards of the Coastは約20人のサードパーティー・クリエーターのグループに対して、新しいOGL 1.1の概要を説明するプレゼンテーションを行った。これらのクリエーターたちは、一般公開されているOGL 1.1に取って代わる取引もオファーされた。Gizmodoは、OGL内のカスタム契約の概要を示す「契約条項」と呼ばれる文書を入手した。

これらの「甘い」契約は、OGL 1.1で述べられているように、750,000ドルを超える超過収益に対して25%ではなく15%のロイヤルティ支払いを署名者に認めるものであり、WotC自身のリリース前後の「ブラックアウト期間」を除き、様々なD&D Beyondのチャンネルやプラットフォームでこれらのサードパーティ製品を販売することをWotCが約束するものだった。

サードパーティは契約に署名することが期待されていた。これらの契約のいずれかの条件について相談を受けたTRPG分野の弁護士であるノア・ダウンズは、シートには交渉が可能であることを示唆する文言が含まれていたものの、変更の余地はあまりないという印象を受けたと述べた。

■Getting it right

金曜日にリリースされた"Update on the Open Game License"の中で、WotCは「新しいOGLはまだ開発中であり、最終リリースの準備ができていない」とコメントした。「なぜなら、私たちはそれを修正する必要があるからです」。同社はコミュニティからのフィードバックを受け、WotCとサードパーティ出版社の両方で機能するようにOGLを改訂すると約束した。

しかしUnseelie StudioのDavid Markiwski氏は「WotCが(OGL 1.1を)完全に撤回したとしても、すっぱい後口は残ったままだ。今後はOGLと仕事をしたくない」と述べた。

一方、D&D Beyondのサブスクリプションをキャンセルするようファンに促す「#DnDBegone」キャンペーンは、Twitterやその他のソーシャルメディアサイトで引き続き人気を集めている。

D&D Beyondのアカウントを完全に削除するために、ユーザーはサポートシステムに集められ、カスタマーサービスで処理されるチケットを提出するよう求められる:WotC内部の情報筋は、今週初めに「5桁」のチケットが出されたことを確認している。WotCが最近D&D Beyondのサポートチームを縮小したこともあり、調整部門と内部管理部門の両方が「混乱」していると述べています。

WotCが、未発表のFAQの中で「OGLに変更を加えたのは、わずかな”大きな声”に応じたものではない」と述べているが、それは事実だろう。実際には何千もの声が上げられたのだから。そして、WotCが最新の変更を純粋に独力で行ったのではないことは明らかだ。TRPGの環境システム全体が、WotCが2000年に約束したことを守っている。そして今、ファンがその条件を決めようとしている。





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